Toshiが行く

3人の孫の成長に目を細める80歳代爺さん

もうひとつの土曜日

 

この川沿いの道を歩くのは久しぶりのこと。

自宅のすぐ近く、ウオーキングコースとして馴染んだ道だ。

ただ、健康のためのウオーキングとはいえ、

あの酷暑の中を歩く気には到底なれなかった。

どうやら10月ともなり、さすがに暑さは和らぎ涼風が混じってきた。

一面の青空を漂う雲の色も形も季節の移ろいを見せている。

「久し振りに歩いてみるか」との気になった。

いや、「体を動かせ。運動しろ」との強迫の方がより強かった。

 

スマホから聞こえる歌は、浜田省吾の『もうひとつの土曜日』だった。

土曜日と言えば、3週間前に入院したのが土曜日だった。

そして、もう一度元気を取り戻そうと歩き始めた今日も土曜日である。

ただ、それだけのことであり、何の意味もありはしないが、

この切ない恋の歌に励まされるように歩き続けた。

 

3週間前のあの土曜日、高熱を発し、かかりつけの総合病院の救急外来に駆け込んだ。

即入院。それから14日間、ほとんどをベッドに横になって過ごし、

たまにベッドに座り込んでPCを打ったり、テレビを見たりで過ごした。

体を動かすのは洗面、あるいはトイレに行く時くらい。

思い立って病棟の廊下を行き来したが、

それとて合わせても100㍍ほどしか歩いていなかった。

 

83歳の老体。ただでさえ、何もせず黙っていたらどんどんと衰えていく。

おまけに病気による入院とあれば、それは一層加速するに違いない。

昨年2月にも10日間入院したが、退院後所用で出かけた際、

少し歩いただけで座り込みたくなるほど疲れを覚えたものだ。

 

そんなことを少しでも和らげようとウオーキングを思い立ったのである。

足取りは軽快というわけにはいかない。

そろりそろり、ゆるゆると進む。

歩いた時間42分、距離2.13㌔、歩数は3468歩だった。

たったこれだけ。何とも情けなくはあるが、これから少しずつ上げていけばよい。